プラズマ・ハイブリッド・モジュール

PHM

プラズマ・ハイブリッド・モジュール(Plasma Hybrid Module; PHM)は、電子・イオンの密度を連続体モデルで、電子温度は電子エネルギー分布関数を求めるモンテカルロ計算、または、電子エネルギー方程式から求める ことで、プラズマ現象の解析を行います。

計算手法の概要

PHMは、半導体製造装置やスパッタリング装置、機能性薄膜の製造装置といった装置内の、非平衡低温プラズマの挙動を解析するためのモジュールです。そして下記記載の5つのサブモジュールで構成されています。

電子モンテカルロシミュレーションモジュール
電子のエネルギー分布関数
電子温度、電子輸送係数
電子衝突による各種ソースレート
電子エネルギー方程式モジュール
電子エネルギー分布関数をマクスウェル分布と仮定して電子温度を計算
ポアソン方程式モジュール
半陰解法によりポアソン方程式の解を計算
ドリフト拡散モジュール
ドリフト拡散モデルにより電子・イオン連続の式を計算
電磁界モジュール
ICPコイルがあるときに用いられ、パワー吸収分布、 Eθ電界分布を計算

2次元直交座標および2次元円柱座標(軸対称)上で、電子モンテ カルロシミュレーションモジュール、ポアソン方程式モジュール、ドリ フト拡散モジュール、電磁界モジュールを交互に用いながらプラズマの 挙動を計算します。

入力項目

  • 2次元直交メッシュで定義される任意の電極、誘電体、およびICPコイルの配置を指定することができます。
  • 電極ごとに印加電圧のRF振幅、周期、位相、DC電圧を指定で きます。交流電圧は2周波まで指定可能です。またユーザーが 電極電圧の時間変化を記述したファイルを作成すれば、任意の電 圧時間変化を与えることも可能です。ICPコイルはパワー入力となります。
  • バッファガスとして各種ガス種を選択することができます。また、 電離反応や励起反応などの各種反応の断面積データを内蔵しており、 計算で考慮する反応式を選択することが出来ます(反応断面積データ は現在も随時追加しています)。

出力項目

  • イオン、電子の密度分布、ソースレート、温度分布、速度分布
  • 中性粒子(ラジカル種や励起種)のソースレート
  • 電位分布、電界分布
  • 電子のエネルギー分布関数
  • ICPコイルがあるときのパワー吸収分布、|Eθ| 電界分布

計算例