スパッタリング・シミュレーション・モジュール

SPUTSM

スパッタリング・シミュレーション・モジュール(SPUTtering Simulation Module; SPUTSM)は、PIC-MCCMの計算結果(ターゲットへの入射イオンフラックス、入射エネルギー、入射角)を参照し、SASAMALを用いて、スパッタリング粒子の放出フラックスや角度分布、エネルギーを計算するモジュールです。

計算手法の概要

 SPUTSMは、スパッタリング粒子の挙動を解析するために必要な、スパッタ粒子の放出角度分布や放出エネルギーなどを求めるモジュールです。SPUTSMは内部でSASAMALを用いているので計算の手法としてはSASAMALと全く同様です。スパッタリング解析は、PEGASUSの各モジュールを組み合わせて次のような流れで行います。 PIC-MCCMによる解析 マグネトロン装置であれば予めMSSMによる静磁場解析を行います。その後、PIC-MCCMによるプラズマ解析を行い、ターゲットへ入射するイオンフラックスやイオンエネルギー、入射角度などを計算します。 SPUTSMによる解析 これらのイオン情報を入力としてSPUTSMによる計算を実行し、ターゲットから放出されるスパッタ粒子の放出フラックス、放出角度分布、放出エネルギーを得ます。 DSMCMによる解析 最後にスパッタ粒子の装置内の軌跡をDSMCMにより解析し、基板へ到達するスパッタ粒子のフラックスを求め、基板に堆積する膜厚分布を予測します。  SPUTSMは上記の1、2、3の流れで計算を行うためのインターフェースを持つ、SASAMALを核としたモジュールです。

入力項目

PIC-MCCMの出力(ターゲットへ入射するイオン情報) ターゲット材料の情報(SASAMALと同様)

出力項目

スパッタ粒子 放出フラックス分布 角度分布 エネルギー

計算例