動的モンテカルロシミュレーションソフトウェア

SASAMAL

動的モンテカルロシミュレーションソフトウェア(Simulation of Atomic Scattering in Amorphous MAterial based on Liquid model; SASAMAL)産業技術総合研究所(中部センター)基礎素材研究部門の宮川佳子主任研究員らが開発した、高線量イオン注入およびスパッタリングシミュレーションプログラムです。

計算手法の概要

 SASAMALは、産業技術総合研究所の宮川佳子主任研究員が主になって開発した、2体衝突近似に基づくモンテカルロ法によるシミュレーションコードです。2体衝突近似(Binary Collision Approximation; BCA)とは、ターゲッ ト(固体)内を運動するイオンおよび反跳原子の運動を追跡する際に、固体内の複雑なポテンシャル場中の衝突(多体衝突)を考慮することをせずに、2体衝突の連続として取り扱う近似法です。この近似は、固体内を運動する粒子の運動エネルギーが比較的高い(数10eV以上)場合に妥当なものとなります。 また、 非弾性エネルギー損失 弾き出しエネルギー 表面結合エネルギー 高線量のイオン注入したときのターゲット組成の動的な変化(dynamic - SASAMAL) を考慮にいれてシミュレーションを行っています。

入力項目

入射イオンの質量、エネルギー、入射角度、入射線量 ターゲットの組成 表面結合エネルギーや弾き出しエネルギー

出力項目

入射イオンのDepth Profile 深さ方向のターゲットの組成分布の変化 ターゲットを構成する各原子のスパッタリング率 スパッタされた原子の放出角度分布、平均エネルギー

計算例