プラズマPICモンテカルロ衝突モジュール
プラズマPICモンテカルロ衝突モジュール(Particle In Cell with Monte Carlo Collision Module; PIC-MCCM)は、イオン、電子とも粒子モデルで取り 扱い、装置内のプラズマの密度分布等を計算するモジュールです。
計算手法の概要
PIC-MCCM は、半導体製造装置やスパッタリング装置、機能性薄膜 の製造装置といった装置内の、非平衡低温プラズマの挙動を解析するた めのモジュールです。荷電粒子の移動は Particle-In-Cell (PIC)法で モデル化し、荷電粒子と中性粒子の衝突現象 (弾性衝突、非弾性衝突、 電離、励起、電荷交換、解離など)は Monte Carlo collision (MCC) モデルで模擬しています。 2次元直交座標および2次元円柱座標 (軸対称) 上で、電極、アース、誘電体の配置および荷電粒子自身の分布に より決まるポテンシャル場の中の荷電粒子の運動を10e-10[sec]程度の 短い時間ステップで追跡していくことで、プラズマの挙動を計算します。
入力項目
- 2次元直交メッシュで定義される、任意の電極・誘電体・アース の配置を指定することができます。
- 電極ごとに印加電圧のRF振幅、周期、位相、DC電圧を指定で きます。交流電圧は2周波まで指定可能です。また、ユーザーが 電極電圧の時間変化を記述したファイルを作成すれば、任意の電 圧時間変化を与えることも可能です。
- バッファガスとして各種ガス種を選択することができます。また、 電離反応や励起反応などの各種反応の断面積データを内蔵してお り、計算で考慮する反応式を選択することが出来ます。
- バッファガスの密度分布や組成を任意に指定することが出来ます。
出力項目
- イオン、電子の密度分布、ソースレート、温度分布、速度分布
- 中性粒子(ラジカル種や励起種)のソースレート
- イオン、電子のターゲット(壁面)へのフラックス分布、エネルギーフラックス分布
- 電位分布、電界分布
- イオン、電子のエネルギー分布関数