マグネトロンスパッタ装置内の解析 一連の流れ
計算条件
- DCマグネトロンスパッタ装置
- 永久磁石の残留磁束密度 0.5[T], ターゲット表面の、ターゲット平行方向の磁束密度 300[G]
- アルゴン、ガス圧 5[mTorr]
- ターゲットの材質 銅
- 印加電圧 Vdc = -300[V]
- 2次元円筒座標系でモデル化
計算結果
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磁束密度分布
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磁力線
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電子密度分布
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イオンフラックス分布
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電位分布
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放出フラックスの分布
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放出角度分布
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密度分布
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空間フラックス分布
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基板へのフラックス分布
マグネトロンスパッタ装置の解析を行うための一連の解析例です。 永久磁石による磁束密度分布を求め、磁場中での荷電粒子の運動を追跡してプラズマ密度分布や ターゲットへのイオンフラックス、イオンのエネルギーを評価します。 さらにスパッタリング率やスパッタされる粒子の放出角度分布や放出エネルギーを求め、 基板の膜厚分布を推定します。
Step 1:静磁場解析(MSSM)
磁石や磁性体の配置、磁石の強度(残留磁束密度)を条件として与えて、装置内の磁束密度分布を計算する。
Step 2:プラズマの計算(PIC-MCCM)
・静磁場(MSSMの計算結果)
・電場(電極や荷電粒子自身の密度分布から決まる)
・気体分子と電子との電離衝突や弾性散乱など
これらを考慮にいれて、荷電粒子(電子、イオン)の運動を追跡する。
Step 3:スパッタリングされた原子の放出角度分布等の計算(SPUTSM)
ターゲットへ入射するイオンのフラックス、エネルギー、入射角(PIC-MCCMの計算結果) を用いて、スパッタリング率やスパッタされる粒子の放出エネルギー、放出角度分布等を計算する。
Step 4:基板上の膜厚分布の推定(DSMCM)
ターゲットから放出されるスパッタ粒子が、装置内のバッファガスと衝突して基板に到達する までの過程を追跡する。基板に到達したフラックス分布が膜厚分布に対応すると考える。